サイディング外壁のコーキング(シーリング)

2013年12月10日

サイディングボードの間にある繋ぎ目に、ゴムを流し込む事をコーキング(シーリング)と言います。
 

 
ここにゴムシールを打ちこむことで、風や雨水などが隙間から入り込まないように出来るので、一見目立ちませんがとても大切な部分になります。
 
コーキング打ちこみの流れとして、まずは古いコーキング材を撤去します。カッターでボードとシールの間を切り、剥がしていくのですが、この時にボードにあまりにもシールが残っていてもまずいので、出来るだけボード近くにカッターを差し込んで撤去します。
 
そのあとに、目地の横に養生テープを貼って行きます、しっかりと指で押さえて、ボードに密着させます。少しレンガのように段差があるので、そこにもしっかりとテープを密着させます。
例えば、まっすぐそのまま貼ってしまうと、凹凸に合わせてへこんでいる部分が浮いてしまうのですが、しっかり貼り付けられていないとゴムを均した時に養生テープの下に抜けてしまって、上手く出来なくなってしまうからです。
 

 
新築の時は、このシーリングの上から塗装はされていません。
塗装をしなくても丈夫なシール剤を使用しているので数年は平気ですが、やはり上から塗装をしていないむき出しの状態では、シールに紫外線や雨風の汚れなどが全て直接あたってくるので、劣化は免れません。
 

 
シールを紫外線などから守り、雨漏りや隙間風から家を守るためにも、新しくシールを打ち替えた後は上から塗装をすることをオススメします。そうすると、シールがむき出しの時よりも断然長持ちするからです。
 
サイディング外壁のコーキングについて詳しくはこちら

スレート屋根塗装に縁切りは必要なのか真実を知る。

2013年11月29日

住宅の屋根塗装で一番種類が多いスレート屋根。その際、多くの方が気にされる縁切りと言う作業。
業者さんによっても必要・不必要と見解が違うことも少なくなく消費者側からすれば悩まれる方も多いかと思います。
まず、新築からはじめての屋根塗装であれば、十分な隙間がある場合がほとんどなので縁切りは必要ないでしょう。
 

十円玉が入るほど隙間がある縁切り不要なスレート屋根も少なくない


 
それでも安心感を得るというためだけに縁切りをしたいという方もいます。
2回目以降の屋根塗装の場合は、それだけ塗装による厚みが増しているため、スレートの重なり部分もふさがってしまう可能性が高くなります。
そのような場合タスペーサーと言う縁切り道材料が便利です。
水切りカッターやカワスキ等での縁切りでは、完全に乾燥硬化していない塗膜は、再びくっついてふさがってしまうからです。
 

カワスキでの縁切り


 
ただしタスペーサーの使用はスレート屋根のひび割れのリスクを高めてしまうということも考慮しなくてはいけません。
 

タスペーサーを挿入して塗装


 
特にノンアスベストのスレートの屋根材は、ささくれやミルフィーユ層になっていてとても衝撃に弱いためタスペーサーはもちろんのことカワスキ等のヘラを重ね部に際込むこと自体クラックの危険性が高まります。
 
そもそもノンアスベストの代表例であるニチハのパミールやクボタコロニアルNEO、松下電工のレサスなどは屋根塗装自体が不向きと言われています。
 

ノンアスベスト屋根の代表格、ニチハのパミール


 
そしてタスペーサー使用の場合、通常の強固なアスベスト入りのスレート屋根だとしてもクラックの危険性は常にはらんでいます。
 

 
まず施工時に作業中に職人がタスペーサー部分を踏んでしまいクラックが入ってしまうケース。
これは職人の注意で避けられそうなイメージがありますが、複数人で作業している場合や突貫的な工事ではついついその上を踏んで歩いてしまうというものです。
 
そして一番危惧するのが次回の屋根塗装時の場合です。
塗装して10年ほど経過すればスレート自体も新築時と違い脆くなってきます。
屋根全体も風化してタスペーサーの取り付け場所も差し込み当時よりかは不明瞭になってくる可能性も高く、そもそもその時に作業する職人はほぼタスペーサーのことを気にすることもなく作業してしまうことが大いに予想できます。
 

タスペーサーを挿入した後、その上の歩行は要注意


 
そうなってくるとパキバキとクラック音を立てながら作業することになってしまいます。
更に屋根に上るのは塗装業者だけではありません。
テレビアンテナの不具合などで電気屋さんがのぼる可能性もあります。
足場なしでハシゴだけで上る訳なので歩行箇所を気にする余裕などはまったくといって無いとも思われます。
 
しかし遮熱や断熱など、塗料性質上どうしても肉厚になってしまう屋根塗装に関してはそれを見越したとしてもタスペーサーは必要になると思います。
また、断熱塗料であれば十分な弾力性があるので、問題ないと思いますが、そこは実際に現場を見ている業者さんによく訪ねてみましょう。
 

雨漏りにつながる?DIY塗料を使用する場合の屋根塗装の注意点

2013年11月29日

カワスキ使用での下地調整で軒天に塗られた古い塗膜がペロリとはがれる


 
築年数30年近い戸建て。
屋根塗装としては2回目の工事。
下塗りのシーラーをスレート(屋根材)全体に塗布したところ、既存の塗膜に異変が…。
なんと古い塗膜が溶けて表層に浮きあがってきてしまいました。
 
施工をしていた一級塗装技能士の職人も困惑気味。
加えて、溶解した塗膜は屋根材の重なりを埋めてしまっている状態。
このままですと、わずかに空いた隙間から雨水が吸い上げられて、逃げ場がないため雨漏りにつながる危険性も考えらなくはありません。
 

 
対策として皮スキで塗膜を取り除き、屋根材に隙間を開けます(縁切り)。タスペーサーという資材を入れることもありますが、屋根の状態によっては割れてしまう可能性も高いため、手作業にて縁切りしました。浮き出てしまった塗膜も一日がかりで入念に削り落してから塗装です。
前回の初回の塗装は状況として推測できるのがホームセンター等で購入した塗料で塗り替えた可能性が浮上しました。
 
塗装知識にあまり詳しくない素人の方がやりがちなのも、次の塗装時のことを考慮せずにやってしまう塗装です。
過去の経験から思い当たる節として、塗料扱い時に対する塗料メーカー側の安全性対する配慮から来ているのかわかりませんが、DIY塗料は乾燥してもその上からの塗装に対してはどことなく溶解しやすいのです。
 
これは屋根塗装に限ったことではなく、現場で多い事例が軒天などの塗装です。
外壁と軒天の取り合い箇所をラッカーテープ(マスキングテープ)で養生し、塗装完了後にテープをはがすとそのまま前回塗装の層からはがれたり、塗膜表面に対してちぢれを起こしたりすのもDIY用の塗料の使用だといわれています。
 
塗膜をしっかり下地に密着させるためには、屋根の水洗いをするときに汚れやコケといった付着物を丁寧に落とすことが大切ですが、塗料選びも重要です。
塗装工事は以前に使用した材料や、塗装法が如実に今の工事に影響してくるものです。
はじめて行った塗装の影響で、本来払う必要のなかった工事費が追加されることにもなりかねません。
今後を見据えて、しっかりとした施工をしてもらうことが大事でしょう。