家をつつむ仕事
2015年10月2日
「良い塗装工事は、良い足場から」といわれます。
つまり、塗装職人が実力を発揮するためには、
屋根、2階など高所で、安全に作業できるスペースの確保こそ、
重要なポイントになる、というわけです。
ですから、足場職人の仕事は塗装職人がすぐ仕事に取り掛かれるように、しっかりした舞台をつくるまでの「家を つつむ 仕事」。
ここでは簡単に、足場工事のプロセスを完了まで順を追って紹介しましょう。
クサビ足場を組むために、足場材を満載するトラックが現場に到着します。
もちろん、ご近所への配慮も抜かりなく。
クサビ緊結部材、支柱、手すり、踏板など、クサビ足場を組み上げるために必要な足場材のかずかず。
アンダーベースに支柱を立てます。
支柱を、クサビ緊結部材でしっかり固定していきます。
家屋裏側でも、組立てが着々と進みます。
お隣とのスペースがあまり広くなくても大丈夫です。
屋根の高さまで「骨格」が伸びました。
家屋裏側の「骨格」はすでに、屋根を覆う高さです。
家屋正面側で、バルコニーの高さの支柱に踏板が取り付けられます。
安心して塗装できる踏板です。
その踏板の上に乗り、さらにクサビ緊結部材で「骨格」を組み上げます。
最高所作業の様子。空が近い感じ。
屋根塗装のための踏板も組み上がりました。
メッシュシートの準備完了。
家屋の外側に組み上がった、見事な「骨格」。クサビ足場。
この後、家を「つつむ」と、足場工事のゴールです。
最上部にメッシュシートを取り付けます。
メッシュシートで家屋を覆い続けます。
「家を つつむ 仕事」の完成です。
この状態で塗装職人に引き継がれます。
屋根塗装。塗料サーモアイSiとケレンの、終わりなきカンケイ
2015年10月1日
現在一般的なスレート(コロニアル)屋根だけではなく、トタン屋根の塗装にも遮熱に効果的な塗料のひとつ「サーモアイSi」が効果を発揮します。これは大きな分類では2液タイプとも呼ばれ、主剤(大缶)と硬化剤(小缶)を調合して使用します。
さらにサーモアイSiはシリコン樹脂を成分に含む弱溶剤タイプの塗料で臭いが少なく、施工中ご近所に迷惑をかける心配もありません。シックハウス症候群への配慮にも有効です。
現場の職人がこうした特性をよく理解し、丁寧な仕事をすることで、遮熱性能、環境性能、健康性能などサーモアイSiの持つ多くのメリットがいっそう際立ちます。
こちらは窓周りの木部に用いる下塗り塗料です。
木製窓枠など劣化しやすい箇所を保護する塗料で、職人が塗料面の状態を良く観察しながら、丁寧な刷毛塗りを行ないます。
やや年季が入ったトタン(鉄部)という塗装面の場合、前回塗装時の残塗料くず、サビやさまざまな汚れの除去を行なう下地調整作業が、まず大切で、ここに多くの労力と時間をかけます。
下地調整作業のことを「ケレン」と呼びます。
これが大きな威力でケレン作業をリードする「カワスキ」
上がハンドパッド。その右がマジックロン。そしてゴミを掃くラスター刷毛。
金属製のデッキブラシ。
残塗料くず、サビやさまざまな汚れを掃除機で吸込むと……
こんなにたくさん取れます。
そして要所要所を下塗りサビ止めしたあと
屋根全体にローラーを転がして、さらに下塗りを行ないます。
塗装面の状態によっては、下塗り後もさらにケレン作業を加えて、
さらに下地を整えます。
下塗り塗料が充分乾燥すれば、いよいよ中塗り塗料サーモアイSiの出番。
乾燥前ですが美しい中塗り塗膜ができました。続いて仕上げの上塗り工程に進みます。
が、ここまでで、いったん「塗料サーモアイSiとケレンの、割りなき関係」のお話は終わりです。
このあとは、美しい中塗り塗膜に、さらに美しい上塗り塗膜が加わり、素敵な仕上がりが予想されます。
しかし、美しい仕上がりを支える、地味ですがとても大切な「ケレン」にも、ぜひご注目を。
表舞台で目立つ塗料と、その下に隠れるケレンの分かち難い関係こそ、
塗装工事における、仕上がりの決め手のひとつなのですから。
家の塗装相談・塗装後のサイディングの隙間と穴 2015/8/11
2015年8月17日
今回も家の相談コーナーです。
ご相談メールを再現してみたいと思います。
ご相談は、外壁はサイディングで、塗装完了後に確認してみたらブツブツのような穴が開いていたということです。
どういうことでしょうか。
現状を見てみないとわかりませんが、文面だけを頼りに、塗装指導員が回答していきたいと思います!
~ご相談内容~
> ペンキは中塗り、上塗りがサーモアイウォールSi
> のND-210で下塗りがSDサーフエポです。
> サイディングボードには凹凸があり、横方向
> (地面と水平方向)に深さ1~2mm程度の
> 溝が5cm間隔であるのですが、その溝の
> 部分にプツプツと穴があいています。
> 穴の大きさは直径1mmもない程度ですが、
> 溝の部分はほとんどその穴があります。
おっしゃられているサイディングのイメージがわからないため、正確にはお答えできませんが、デザインとしての溝でしたら、下地まで突き抜けていないので、通常は気泡や穴が開くことはありません。
ただし突き抜けている場合は、下からの湿気などにより気泡が出る可能性もあります。
> 業者さんに聞いたところ、
> 溝の部分には多くペンキが入り込んでしまい、
> 気泡になってしまうとのことです。
> しかもND-210という薄い色は特にこういう現象が
> 出るとのことです。
> ただ、溝の奥は塗れているので問題ないそうです。
サイディングでよくあるのが、横の継ぎ目に塗料が途切れ途切れで埋まる場合です。
そのような場合は、穴というよりかは隙間がところどころに見えるようなこともあります。
> そこで、質問なのですが、
> 1.現場を見ていないのでわからないかもしれ
> ませんが、本当に奥まで塗れているのでしょうか?
ごめんなさい。
こればかりは見てみないことにはいい加減なことがいえません。
> 2.プツプツがあっても問題ないのでしょうか?
> サイディングボードやペンキは大丈夫なのでしょうか?
モルタルでは例がありますが、サイディングでの気泡の例があまりありません。
もし本当に気泡なら、それをつぶしてタッチアップするのが望ましいとは思います。
> 3.穴を埋めて欲しいと言ったら埋めてもらえる
> ものなのでしょうか?
> 今までの話した感じだと、問題ないからやら
> ないと言われそうなのですが。。。
耐久性には、さぼど問題のないように見えますが、外壁塗装はそれと合わせて美観も大切です。
写真がない以上、これ以上のお答えが困難です。
> 回答ありがとうございました。
> 大変参考になりました。
> もしこのアドレスの返信で再質問が可能でしたら
> 写真を添付しますので見て頂けないでしょうか?
写真拝見しました。
サイディングの継ぎ目ですね。
穴が開いてますが、サイディングの継ぎ目の構造上、そこから水が入ったとしても、中まで侵入することはありません。
正確には、水が入ったとしても、上に水が登らなければ、それより中には水は浸入しません。
ただし縦目地の場合は入る可能性があります。
この穴は結論的には、塗料が行き届いていてないということになります。
ただ、横の継ぎ目は、元々隙間があるため塗料だけでは埋まり切らないことは、一般的にはよくあることです。
さらに耐久性にも影響を与えないものです。
もし埋めるのであれば、埋められる程度の軽微なシール処理をしてタッチアップにて仕上げられるのがよろしいかと思います。
※追記。ただし、この部分を完全に埋めることは、縦目地と同様にすべてシーリング処理することになります。
元々、横の継ぎ目は新築当時から初めから存在するものです。
塗装でわざわざ埋めることは前提にはしていません。
逆に隙間があったほうが下地の湿気を逃がすという点で良いという意見もあるので、意図的に埋める必要もないでしょう。
また縦目地のシーリングについて気になりましたが、今回の外壁塗装でシーリング交換処理をした前提でお伝えしますと、少々シールの仕上げ処理が雑です。
養生テープをはがす際に、シール材が一緒になって引っ張られて「ひげ」の状態になっています。
> 回答ありがとうございました。
> 大変助かります。
> もう一つご質問させてください。
> 繋ぎ目以外も穴が開いていると思われるのです。
> シーリングが写っていない方の写真です。
> もし、繋ぎ目以外で穴が開いていても問題ない
> ものなのでしょうか?
> お忙しいところ大変申し訳ありませんが
> よろしくお願いいたします。
縦目地やサッシ周りから以外の場所から水は浸入しないはずです。
写真をみてもそう思いました。
でも模様が深いようですね。
ただやはり美観的には、タッチアップがよさそうにも思えます。
無希釈の塗料だけでも埋まる気がします。
回答ありがとうございました。
本当に助かりました。
ということでした。
またのご相談お待ちしております!