370kgの塗料を使った外壁塗装
2013年11月18日
外壁塗装と一口に言っても サイディング、モルタル、ALCなど様々な種類の外壁があり、更にそれぞれの家の環境があります。家の環境や築年数により傷みの箇所や具合も大きく変わってきます。

クラック
ザラザラと凹凸の激しいモルタル外壁での施工。モルタルはクラック(ひび割れ)が発生しやすい特徴があり、このお宅ではカビも多く発生していました。塗装前にしっかりと高圧洗浄を行うことでこびり付いた汚れやカビをしっかりと除去。この汚れや古い塗膜を残したまま塗装をしても汚れ部分から剥がれてきてしまい、長く保つ塗装とは言えなくなってしまいます。

モルタル外壁のクラック補修
汚れをしっかりと落としたらクラック(ひび割れ)の補修。他にも木部や鉄部、傷んでいる所があったら大工などの専門職人を入れてしっかりと直しておきます。傷んだところを覆うように施工をしても、やはり長持ちする施工とは言えません。
クラックにシーリングを埋めて、戸建て以外の鉄筋コンクリートなどの外壁にはUカット工法やVカット工法など技法を駆使し、しっかりと補修します。
補修が終わったら一流メーカーで開発されたパーフェクトフィラーを下塗り材に使用。フィラーはシーラーより弾性があり、クラックの対応に強い塗料です。今回のお宅では下塗り~上塗り、全ての施工を終えるまでに25缶。およそ370kgもの塗料を使いました。
どれだけ汚れをしっかり落とそうと、どれだけ傷んだところをしっかり直そうと、外壁を塗りあげる塗料に手を加えてしまっては意味がありません。薄めすぎた塗料を使えば手間も材料費も省くことが出来ますが、見た目だけの仕上がりになってしまいます。370kgもの塗料をメーカーが定めた希釈率に従って用意して適切な施工を行うことで、塗料の性能を最大限に引き出し、丁寧に行った下地調整が生きて家を長く守る施工へと繋げることができます。
塗装を剥がれにくくさせる高圧洗浄
2013年11月14日
塗装を開始するにあたって、まず家の水洗いをします。
外壁塗装の場合ですと、おおよそ10年くらいの間隔で塗替えをすることが多いのですが、その間には風雨に晒され続けて汚れが強固に付着していることがあります。
屋根は塗装面に付着物があると、下地と塗料の密着性が低下してしまい塗装が剥がれやすくなることも。
モルタル外壁、特に表面がざらざらとしたタイプの壁では塗装が剥がれることは多くはありません。ですが、外壁のもう一つの主流であるサイディングの場合は注意が必要です。サイディング外壁にはチョーキング現象という白い粉の付着が激しく起きていることがあり、しっかり洗い落とさなかったために、塗装が剥がれる要因となることがあるのです。
塗装職人では最高150キロ圧が出る防音型の高圧洗浄機を使用して、家全体を洗浄します。この洗浄機の威力を表しますと、手に当ててしまえば指がちぎれるほど、ゴム長靴に当ててた場合は穴が開いてしまう強さです。この水流を利用してカビやコケ、汚れをしっかり洗い流します。モルタルのリシンやスタッコ壁では、塗装内までカビが繁殖していることがありますが、高圧洗浄で無理に落とそうとすると塗装が削れてしまったり剥がれることがあるため注意が必要です。

高圧洗浄で洗い流されるチョーキングの白い水

高圧洗浄機とホースリール
先ほどのチョーキングも、洗浄すると白い水が流れ出てきます。完全に落とすことは難しいかもしれませんが、下塗り材のシーラーが浸透するくらいには洗い落とすことが必要です。
また、塗装をしない箇所でも高圧洗浄をすることで汚れが落ち、きれいになることがあるので、一緒に洗ってもらうと良いでしょう。ただ、あまりにも汚れが激しく手間を要する場合は、別料金がかかることもあるため、工事前に確認しておくことをお勧めします。
工事をする前に知っておきたい、塗装後のトラブル
2013年11月13日
外壁塗装の工事には安いとは言えない費用がかかります。そして、大切な家を塗装するのですから、トラブルは未然に防ぎたいものですよね。この記事では塗装工事を行う前に知っておきたいポイントをまとめました。
では、塗装後のトラブル例をいくつか見てみましょう。
・外壁にのみ高級塗料を使用、木部や鉄部が先に傷む

木部用の専用下塗り塗料
昨今、多くの塗装業者が高級塗料を使用した工事を謳っていますが、その塗料が家のどこに使用されているのか注意する必要があります。コストの関係により外壁にのみ高級塗料が使用され、木部や鉄部などには、それ以下の塗料を塗布していることもあります。外観に鉄部や木部が多用されている場合、壁より早く傷んでいくので、同等の塗料で塗替えをしてもらいましょう。
・3度塗りをしない薄い塗装、または薄めすぎの塗料でクラック(ひび割れ)やカビ、汚れの再発

缶の上蓋には希釈しすぎの注意書き
塗料を重ね塗りして、厚みのある塗膜をつけないと塗装は長持ちしません。通常の塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの3回で仕上げます。また、塗料は希釈して使用するものがほとんどですが、コストや塗りにくさからメーカーで規定された以上に薄めていることがあります。これでは、塗料の持つひび割れ予防や、防汚・防カビなどの性能を著しく低下させてしまいます。適切な希釈をした塗料をたっぷり塗って肉厚に仕上げてもらうことが大切です。
・下地調整(ケレンや高圧洗浄)不足による塗膜はがれ

研磨作業の下地調整

外壁塗装の剥げ
どれだけ高級な塗料を適切に希釈して、しっかり3度塗りした肉厚な塗装でも、全てを台無しにしてしまうことがあります。それは下地調整が不足し、塗膜が剥がれてしまうこと。鉄部や木部の下地調整とは、汚れや傷んだ塗膜を削り落すこと(鉄部にはサビ落としも含む)、外壁や屋根の場合は高圧洗浄を指します。このような工程を踏まないと、せっかくの厚膜も密着不良になり、剥がれやすくなってしまいます。塗装表面からは見えない作業ですが、塗装の持ちに強く影響するため入念な作業が必要です。
塗装は、施工直後はきれいに仕上がっている場合がほとんどです。その完成した状態だけを見て、塗装工事の質を判断することは難しいでしょう。その工事の真価は、塗替えから数年経過した家の状態を見なければわかりません。そのため、質の高い塗装工事をする業者を慎重に見極めていくことが必要と言えます。