雨漏りにつながる?DIY塗料を使用する場合の屋根塗装の注意点
2013年11月29日

カワスキ使用での下地調整で軒天に塗られた古い塗膜がペロリとはがれる
築年数30年近い戸建て。
屋根塗装としては2回目の工事。
下塗りのシーラーをスレート(屋根材)全体に塗布したところ、既存の塗膜に異変が…。
なんと古い塗膜が溶けて表層に浮きあがってきてしまいました。
施工をしていた一級塗装技能士の職人も困惑気味。
加えて、溶解した塗膜は屋根材の重なりを埋めてしまっている状態。
このままですと、わずかに空いた隙間から雨水が吸い上げられて、逃げ場がないため雨漏りにつながる危険性も考えらなくはありません。
対策として皮スキで塗膜を取り除き、屋根材に隙間を開けます(縁切り)。タスペーサーという資材を入れることもありますが、屋根の状態によっては割れてしまう可能性も高いため、手作業にて縁切りしました。浮き出てしまった塗膜も一日がかりで入念に削り落してから塗装です。
前回の初回の塗装は状況として推測できるのがホームセンター等で購入した塗料で塗り替えた可能性が浮上しました。
塗装知識にあまり詳しくない素人の方がやりがちなのも、次の塗装時のことを考慮せずにやってしまう塗装です。
過去の経験から思い当たる節として、塗料扱い時に対する塗料メーカー側の安全性対する配慮から来ているのかわかりませんが、DIY塗料は乾燥してもその上からの塗装に対してはどことなく溶解しやすいのです。
これは屋根塗装に限ったことではなく、現場で多い事例が軒天などの塗装です。
外壁と軒天の取り合い箇所をラッカーテープ(マスキングテープ)で養生し、塗装完了後にテープをはがすとそのまま前回塗装の層からはがれたり、塗膜表面に対してちぢれを起こしたりすのもDIY用の塗料の使用だといわれています。
塗膜をしっかり下地に密着させるためには、屋根の水洗いをするときに汚れやコケといった付着物を丁寧に落とすことが大切ですが、塗料選びも重要です。
塗装工事は以前に使用した材料や、塗装法が如実に今の工事に影響してくるものです。
はじめて行った塗装の影響で、本来払う必要のなかった工事費が追加されることにもなりかねません。
今後を見据えて、しっかりとした施工をしてもらうことが大事でしょう。