剥げやすい屋根を頑丈に密着させるための塗装

2013年11月21日

スレート屋根に発生しているコケ


 

花が咲いたようにはがれた塗膜


 
今回は屋根の中でも、特に主流となっているスレートの塗装について説明します。
屋根を塗装するのは外壁と一緒に行うことが多いです。(屋根のみもあります。)外壁の塗替え時期は、大体の目安として築10年ほどと言われていますので、屋根も同時に行う場合は相応の汚れやコケが付着していることも。
 
塗装に入る前にこれらの付着物を丁寧に水洗いして、下地と塗料の密着度を向上させておきます。
高級な塗料をたっぷり使用して肉厚な塗膜をつけたとしても、すぐに剥がれてしまっては意味がありませんよね。塗装によって屋根を長期間、紫外線や風雨から守るためには、まず塗膜をぴったり密着させることから開始です。

塗装職人では、最高150キロ圧が出る防音型の高圧洗浄機で家の水洗いをしています。屋根はスレート(屋根材)の一段ずつにジェット水流を噴射して、こびりついたコケや汚れを入念に洗い落します。足場は可能な限り屋根より高く組んでもらい、その周囲をメッシュシートで覆っています。洗浄によって泥水を周りに飛び散らせないように、また、風が強く吹くと塗料も飛散してしまうことがあるので、その予防策です。

雨押さえ(棟押さえ)や雪止めといった鉄部は、ケレン(下地調整)をしてサビや汚れを削り落します。
 

棟板金の下地調整ケレン


 
さらに、全体を研磨して微細な傷をつけることで、ツルツルした状態より塗料の食い付きがよくなります。サビ止め材を塗布してサビの再発を抑制しましたら、屋根材の下塗りへ。
下塗りではシーラーをたっぷり浸透させます。表面が濡れたようにしっとりとするまで塗布。屋根の傷み具合によっては、シーラーがすぐに吸込まれてしまうことがあります。そのときは、繰り返し塗布して吸込みを止めておきます。このシーラーには下地と塗料の密着性をアップさせたり、屋根材を固めて強化させる役割があります。
 

スレート屋根のシーラー塗布


 
中塗りと上塗りでシリコン塗料をたっぷり塗布して厚みのある塗膜をつけていきました。上塗りでは中塗りと別の色を使用して、塗り落しや掠れている部分がわかりやすくなるようにしています。

通常、塗装は3度塗りが基本ですが、使用する塗料が遮熱や断熱タイプの場合は、計4~5回塗り。傷みによっても変動することがあります。
塗料をふんだんに塗り重ねた塗膜は、陽を浴びてキラキラと輝く光沢のある仕上がりに。屋根上は足場などがないと、頻繁に目にする場所ではないですが、紫外線や酸性雨を受けて傷みやすくなる場所。耐久性のある塗装でしっかり保護することが大切です。
 

ピカピカの光沢を放つ塗装後のスレート屋根